ハイブリッドセラミックとは?

CAD/CAM(コンピュータ支援設計・製造)で使用されるハイブリッドセラミックは、歯科修復物に使われる比較的新しいカテゴリーの材料です。
1. ハイブリッドセラミックとは何か?
従来のオールセラミックは「硬すぎて割れやすい(脆性)」という弱点があり、一方でレジン(プラスチック)は「摩耗しやすく変色しやすい」という課題がありました。
ハイブリッドセラミックは、セラミックの微粒子(フィラー)をレジンの束(マトリックス)の中に高密度に詰め込むことで、以下の特徴を実現しています。
適度な弾性: セラミックよりも柔軟性があるため、噛み合わせの衝撃を吸収しやすく、対合歯(噛み合う相手の歯)を傷めにくい。
加工性の良さ: 非常に硬いセラミックに比べ、ミリングマシン(切削機)で短時間かつ精密に削り出すことができます。
2. どうやって作られるのか?(製造プロセス)
歯科医院や技工所にあるCAD/CAMマシンで削り出す前の「ブロック(材料の塊)」ができるまでには、高度な工業プロセスが介在しています。
工場での製造プロセス
1 高密度充填: 微細なセラミックフィラーをレジン液の中に均一、かつ限界まで高密度に混ぜ合わせます。
2 高温高圧重合(HTHP): 歯科医院で光を当てて固めるレジンとは異なり、工場で巨大な圧力と熱をかけて重合(硬化)させます。
これにより、内部に気泡が入るのを防ぎ、分子同士が非常に強固に結びつきます。
3 ブロック成形: 完全に硬化した材料を、CAD/CAMマシンのホルダーに装着できる規格サイズ(ブロック状)に切り出します。
臨床での加工プロセス
1 スキャン & 設計: 口腔内スキャナーや模型から得たデータをもとに、コンピュータ上で被せ物の形状を設計します。
2 ミリング(切削): 設計データをミリングマシンに送り、ハイブリッドセラミックブロックをドリルで削り出します。
3 仕上げ: 削り出された修復物を研磨し、ツヤを出します。セラミックのように焼成(焼き入れ)をする必要がないため、短時間で完成するのが大きなメリットです